rhapsody
2020.2.1—2.16
Gallery Gallery, Kyoto
京都芸術センター支援事業
2018年より、羊毛文化の歴史が長いスカンディナヴィア、フィンランドにて染織のリサーチと滞在制作を行った。その際にフィンランドの土地と生活からインスピレーションを受け、かつてのヴァイキング時代に用いられていた羊毛によるノッティング技法(下記参照)を作品制作に取り入れた。より耐久性を求められるずっと前に用いられていた発展途上の手法ではあるが、撚糸の手間を省くことができる。
また本展の作品に使用している羊毛は、主に棄てられる予定であったもの用いている。羊は、年に1度は人に毛を刈り取ってもらわなければ皮膚病や毛につく虫などに苦しむ。商品になる羊毛はさておき、廃棄される羊毛を処分するには相当な火力エネルギーを必要とする。その羊毛を引き取り、洗い、ブラッシングして作品に取り入れている。
そんな羊毛と、同じく動物繊維として私たちの生活にはなくてはならない絹の糸を、廃棄予定だった植物、刈り取られた雑草や実で染色をしている。単なる再利用ではなく、人間都合で不要とされた素材で作品を作り、本来あるべき循環に基づく制作スタイルを試み始めた。土から生まれ、時を経て土に還るはずだったもの達が、人の手によって強引に循環を止められる。そういった人の為の営みに、微量ながらも本来の自然界の循環を生むことがこの作品の真意である。
ノッティング:絨毯を織る際に用いられる技法